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医師の情報発信の始め方|出版・コース・アプリという選択肢

公開日 2026年8月20日 執筆 RAKUKARADA LLC

診療後の書斎で情報発信の原稿に向かう医師
診察室の知見を残す時間

診察室の外にも、医師の知識を求める人がいる

医師の情報発信は、一部の有名な先生だけのものではありません
結論から言えば、診察室で毎日繰り返している説明そのものが、外の世界で強く求められている知識です
受診すべきか迷っている人、家族の病気に向き合う人、検査結果の意味を知りたい人──診察の予約を取る手前で立ち止まっている人が、正確な情報を探しています

医療の世界は、外から見ればブラックボックスです
だからこそ、中にいる医師や歯科医師が自分の言葉で発信することに価値があります
専門職の知識は人を救うための宝物であり、診察室の中だけで使うか、コンテンツの形にして届く範囲を広げるか──後者の道もある、というのがこの記事の主旨です

診療で忙しい先生ほど「書く時間がない」と感じるはずですが、その前提はこの数年で変わりました
順に整理します

医師の発信の形──Kindle出版・コース教材・アプリ・Web連載

発信の形は選べます
それぞれ向いているテーマと読者が違うため、比較して選ぶのが近道です

形向いているもの
Kindle出版(電子書籍)ひとつの疾患・テーマを体系立てて深く伝える
コース教材患者さん・家族・若手医療者に段階的に学んでもらう
患者さん向けアプリ・Web受診前後の疑問や生活上の注意を調べられる形にする
Web連載・コラム季節の話題や新しい知見を軽く速く届ける

歯科医師であれば、予防や噛み合わせ、子どもの歯並びといった、外来で毎日受ける質問がそのままテーマになります
診療科を問わず、患者さんに配る説明資料の延長線上に発信の形があると考えると、始めるハードルは下がります

電子出版なら在庫も印刷の負担もなく、出したあとの改訂もできます
アプリやWebも、かつては外注すれば大きな費用がかかってきた領域でしたが、AIの助けを借りて医療者自身が形にできる時代になりました
知識は本・コース教材・アプリ・Webの形で残せます
どれかひとつを選んで小さく始め、手応えのあった形を育てていくのが現実的です

医療広告ガイドラインと発信の線引き

医師の情報発信が本やアプリの形になっていくイメージ
知見が形を選んで届いていく

医師・歯科医師の発信で最初に確認すべきは、医療広告ガイドラインとの関係です
原則はこう整理できます
自院への誘引を目的とする発信は広告と扱われる可能性があり、規制の対象になり得ます
一方、特定の医療機関へ誘引しない一般的な医学知識の解説は、性質が異なります

この線引きの詳細は医療広告ガイドラインとAIの記事にまとめています
規制を知ることは発信をやめる理由ではなく、長く続けるための土台です

診療と発信の相乗効果

発信は診療から時間を奪うだけのものではありません
私たちが現場で感じてきたのは、むしろ逆の効果です

説明をコンテンツにする過程で、自分の説明の癖や飛躍に気づき、診察室での言葉が磨かれます
「詳しくはこちらを読んでください」と渡せるものがあると、限られた診察時間を対話に使えます
読んでから来院した患者さんとは、最初から一段深い話ができます
発信で残るのは文章ですが、そのぶん医師の時間は、問診や対話といった人にしかできない仕事に還っていきます

これから機械に置き換わっていくのは、統計処理やWeb制作、プログラミングといった「頭がいい」とされてきた領域の作業です
残るのは手術、問診、患者さんとの会話──医師の仕事の核はむしろ揺らぎません
だからこそ、その核から生まれた知見を発信の形にする作業は、AIに整形を任せて身軽に進めてよいのです

最初の一歩は音声入力から

始め方は簡単で、診療後に十分だけ、よくする説明をスマホの音声入力に向かって話すことです
喋るだけで文章になる時代なので、書くのが苦手でも原稿の素材はできます
その文字起こしをAIに渡せば、記事や章立ての形に整った下書きが返ってきます

最初から全部わかっている人はいません
一本の記事、一冊の電子書籍、ひとつのアプリ──段階を踏むから「これもできる」が広がっていきます
最初の一歩に選ぶ話題は、外来で今週いちばん多く繰り返した説明で十分です

ただし、AIは時に嘘をつきます
それらしい記述に事実でない内容が混ざるため、医学的な内容は必ず自分の目で確認してから出します
AIが形を整え、医師が正しさを保証する──この分担を守れば、発信は診療と両立します

ホームページの更新を院内で回す考え方は内製化の記事が参考になります
発信をコンテンツやアプリに育てる作業を専門家と進めたい場合は、私たちの支援内容をご覧ください

よくある質問

医師が出版するにはどんな方法がありますか
出版社への企画持ち込みのほかに、個人で出せるKindleなどの電子出版があります
電子出版は在庫や印刷の負担がなく、出したあとに改訂できるため、最初の一冊に向いています
音声入力とAIの整形を使えば、多忙な診療と並行して原稿を作れます
医師の情報発信は医療広告ガイドラインに違反しませんか
特定の医療機関への誘引を目的としない一般的な医学知識の解説であれば、広告とは性質が異なります
治療効果の断定・保証や体験談による誘引を避け、迷う場合は厚生労働省の公表資料で確認する運用が安全です
診療が忙しくても発信を続けられますか
診療後に音声入力で話すだけの素材づくりなら、続けやすくなります
整形はAIに任せ、医師は内容の確認に絞る分担にすること、週に一本など小さな頻度から始めることが継続のコツです

この記事に関係するもの

桜岡 寿英
桜岡 寿英|RAKUKARADA LLC 代表社員

都内で医療法人の代表をしながら、医療機関のAI導入・内製化を支援しています 同一グループの診療現場を実証の場として、実際に動く仕組みを開発・運用しています

この記事の書き方は 編集方針 に沿っています

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