クリニックのAI内製化 実作業時間の記録
クリニックのAI内製化で実際にかかった時間
同一グループのクリニックを実証の場として開発し実際の診療現場で運用した結果 LINE配信の仕組みはAIとほぼ1日 告知LPは画像生成まで含めてAIと1日 患者報告アウトカム調査は1回あたり1〜2時間ほどの実作業で進めています
ここでいう内製化は完成物を受け取るだけの形ではなく直したいと思ったその日に自分たちの手で直せる状態を指します
速く作ることだけが目的ではなく現場で必要な変更を現場の判断で進められるようにする取り組みです
この記事では5年間にわたり自分たちの現場で痛みとして経験してきた業務を対象に何をどこまで作り実作業にどれほどの時間がかかったかを整理します
以下に挙げる時間はすべて当社が同一グループのクリニックで実際に運用したときの作業記録であり2026年8月時点のものです
外部の統計ではなく成果を保証する数字でもありません
| 対象業務 | 内製した範囲 | 記録した時間と体制 |
|---|---|---|
| LINE配信の仕組み | ステップ配信 ボタン振り分け 予約カレンダー アンケート 資料配布 | AIとほぼ1日 |
| 告知LP | 文章作成から使用する画像の生成まで | AIと1日 |
| SIMNES 患者報告アウトカム調査 | 回答データの自動集計 統計処理 ウェブサイトへの反映 | 1回の実作業は1〜2時間ほど ほぼ1人で運用 |
| 患者さん向けマニュアル | 必要な内容をマニュアルの形に整える作業 | 10〜15分で形になる |
数字は成果を保証するためのものではなく同じ診療現場で実際に動かしたときの記録です
業務ごとに対象範囲が異なるため単純な速さ比べではなくどの工程まで一つながりにしたかと合わせて読む必要があります
以下では完成までの流れと運用後に生まれた違いを業務別に見ていきます
LINE配信の仕組みはAIとほぼ1日で自前構築
ステップ配信から資料配布までを外部の配信業者に頼らず自前でつなぎAIとほぼ1日で形にしました
仕組みに含めたのはステップ配信 ボタンによる振り分け 予約カレンダー アンケート 資料配布です
それぞれを個別に置くのではなくLINE上の案内から利用者の選択 予約 回答 必要な資料の受け取りまでをつなげています
当社が過去に外部へ依頼したときは同じ範囲で数ヶ月の納期になりましたがこの記録で重視しているのは完成までの日数だけではありません
本当の違いは運用を始めた後にあります
案内の順番やボタンの分け方を変えたくなったとき外部との打ち合わせや修正待ちを挟まず直したいと思ったその日に自分たちの手で直せます
その変更を院内で扱えることがAI内製化で得た運用上の変化です
告知LPは文章と画像を含めてAIと1日
告知LPは構成と文章だけでなくページで使う画像の生成までを含めてAIと1日で制作しています
外部の業者へ依頼する流れでは打ち合わせが何度も挟まり構成案が届いた後に修正を戻し再び待つことがあります
その積み重ねで気づけば1ヶ月以上になることがありました
現在は伝えたい内容を整理し文章を作り使用する画像も生成するところまでをAIと進めています
告知LPを1日で内製した記録ではこの制作範囲を具体的にまとめています
朝起きる頃には夜のうちに仕込んだ告知ページの下書きと画像が上がっている日もあります
日中に内容を確認し直す場所を決められるため制作と確認を同じ院内の流れに置けます
当社が同じことを外注した場合の費用は単純に2倍3倍になりましたが内製ではもう1本つくることにためらいが要りません
作ってから選ぶという進め方は外注では贅沢でしたが内製では標準になります
患者報告アウトカム調査は1回1〜2時間ほど
SIMNES 患者報告アウトカム調査は複数回実施し1回の実作業を1〜2時間ほどにしてほぼ1人で動かしています
仕組みは回答データの自動集計から統計処理を経て結果をウェブサイトへ反映するところまでつながっています
集計だけを自動にするのではなく統計処理とウェブサイトへの反映までを一つの流れにしています
患者報告アウトカム調査の事例では自動集計から公開までの流れを確認できます
この取り組みは一度だけの試作ではなくこれまでに複数回実施しています
同じ流れで繰り返す業務だからこそどこを自動でつなぎどこを人が確認するかを分けることができます
動かしているのはほぼ1人であり実作業時間は1回あたり1〜2時間ほどです
回数 体制 対象工程を一緒に残すことで時間だけが独り歩きしない記録にしています
患者さん向けマニュアルは10〜15分で形になる
患者さんへ案内する内容をマニュアルに整える作業はAIを使うと10〜15分で形になって出てきます
院内の書類仕事は一つひとつが小さくても毎日発生します
説明内容を整理し読み手に合わせた順番に並べ文書の形にする作業もその一つです
完成後は人が内容を確認しますが最初の形を短い時間で用意できれば確認と修正に意識を向けられます
AIに任せたまま公開するのではなく人が決める工程を残したうえで使っています
毎日15分の書類仕事は年間では診療何日分もの時間になります
さらに手順が担当者の頭の中だけにあるとその人が不在になったときに同じ流れを再現しにくくなります
書類を作ることと手順を仕組みにすることを同時に進めるのは人が辞めても回る院をつくる仕事でもあります
クリニック業務の仕組み化支援では院内業務を対象にした進め方を紹介しています
3つのAIを並行させ最後は人が決める
日中は3つのAIを並行で動かし作成 粗探し 根拠確認を分担させたうえで夕方に人が最終確認しています
ある日の動きでは1つのAIが記事や患者さんへのご案内を作り1つがその粗を探しもう1つが記載の根拠を確かめます
朝には夜のうちに仕込んだ告知ページの下書きと画像が上がり夕方に行うのは上がってきたものへの最終確認です
体感としては姿の見えない社員が20人 30人いて24時間働くような状態ですが人数の感覚だけで判断を任せているわけではありません
AIは間違えます
だから1つの出力だけをそのまま採用せず互いに監査させ最後は必ず人が決めます
この組み方を守ることで間違いを事故になる前の発見へ変える運用を目指しています
医療現場でのAI活用でも人による判断を残す考え方を中心にしています
最初は最も頻度の高い書類から始める
AI内製化の1本目は派手な仕組みではなく院内でいちばん頻度の高い書類から着手します
毎日発生する業務は1回あたりの時間が短くても年間では大きなまとまりになります
そこで目立つ企画から選ぶのではなく日々繰り返している書類を先に対象にします
担当者がどの情報を集めどの順番で判断しどの形で完成させているかを取り出すことが最初の作業です
手順が見えるとAIに渡す部分と人が確認する部分を分けやすくなります
遠回りに見えても頻度の高い書類から始めることが最短です
1本目で入力 作成 確認 修正の流れができると2本目からは一気に速くなります
最初から院内のすべてを変えるのではなく同じ現場で繰り返す一つの業務を選び実際に回しながら直せる状態を作ります
オンライン診療の導線も一つながりにする
オンライン診療では受診までの導線 案内ページ フォロー配信をばらばらの道具にせず一つながりの仕組みとして組んでいます
個別の道具を増やすことよりも患者さんが受診へ進むまでに必要な案内がどの順番で続くかを見ます
案内ページだけ LINE配信だけ 予約だけを別々に考えず前後の工程を含めて設計する考え方です
LINE配信や告知LPや調査の内製で得たのも一つの制作物ではなく必要な工程をつなぎ自分たちで変更できる状態でした
AI内製化は作業時間の短縮だけを示す取り組みではありません
同一グループのクリニックを実証の場として開発し実際の診療現場で運用しながら直したい日に直せる仕組みを増やしてきました
最初の対象は毎日使う書類から選びAI同士の監査と人の最終判断を残すことが継続して使うための前提です
よくある質問
クリニックのAI内製化を始める際によく確認される点を実際の運用記録に沿って整理します
- クリニックのAI内製化はどの業務から始めますか
- いちばん頻度の高い書類から始めます
派手さではなく毎日発生する業務を選び担当者の頭の中にある手順を取り出します
1本目の流れができると2本目からは一気に速くなります - AIが作った内容はそのまま使いますか
- AIは間違えるためそのまま使う運用にはしていません
作成するAI 粗を探すAI 根拠を確認するAIを並行させて互いに監査します
最後は必ず人が決めます - 内製化で重視しているのは制作の速さですか
- 記録にはほぼ1日や1〜2時間ほどといった実作業時間を残しています
本当の違いは速さだけではなく直したいと思ったその日に自分たちの手で直せることです
対象範囲と体制も合わせて確認することが大切です


