クリニックの電話業務を自動応答とAIで仕分ける手順
クリニックの電話はどこまで自動応答やAIに任せられますか
クリニックの電話は予約確認や時間案内など定型的な内容をAIや自動応答に任せ急患やクレームなど人の判断が必要な着信だけを受付スタッフが直接受ける形に切り分けられます
受付スタッフが電話にかかりきりになると目の前の患者さんをお待たせしてしまいます
厚生労働省の受療行動調査(令和5年)では項目別の満足度で「不満」が最も高いのは「診察までの待ち時間」の25.2%となっています(対象: 病院の外来患者)
また1時間以上待った外来患者は合計21.1%(1時間〜1時間30分未満10.1%、1時間30分〜2時間未満4.5%、2時間以上6.5%)にのぼります(対象: 病院の外来患者/時点: 令和5年/出典名: 厚生労働省の受療行動調査)
電話対応を自動化して目の前の会計や案内をスムーズに進める待ち時間対策の仕組みを置きます
業務効率化は入り口にすぎずその先には患者さんとの会話など人にしかできない仕事に集中する環境が待っています
電話の自動応答を導入する際どこから始めればよいですか
まずは院内で受けている電話の内容を明日の診療から記録しどの問い合わせが何件あるのかを分類する着信内容の仕分けから始めます
最初から全部わかっている人はいないため1、2、3、4と段階を踏んで着信の傾向を把握します
具体的には以下の手順で進めます
- 誰が: 受付スタッフ全員が交代で担当します
- いつ: 明日の診療開始から継続します
- 何を先に決めるか: 記録用紙を用意し「予約」「道案内」「急患」「業者」などの項目を洗い出します
- 何をするか: 着信のたびに該当する項目に正の字を書いて件数を集計します
厚生労働省の受療行動調査(令和5年)によれば外来患者の「予約をした」は79.0%(小病院では68.2%)です(対象: 病院の外来患者)
予約の変更やキャンセルの電話が記録の大半を占めるようであればそこから自動化の対象に定めます
予約のリマインドを自動化することで電話自体の件数を減らすアプローチも可能です
どの時間帯に着信が集中するのかも合わせて記録しておきます
AIと人で着信内容をどう切り分けるのが適切ですか
診療時間や駐車場の案内など答えが決まっているものは自動応答に任せ症状の相談や緊急の対応は人が直接受けるようにルールを定めます
医療業界のシステム開発が高額なのは歴史的な常識でしたがその常識は終わりつつあります
院内で内製できる範囲を9つの層に分けて整理している当社の基準(2026年8月時点)に沿って自分たちで仕組みを構築できる時代です
着信内容の切り分けは以下の表を目安に判断します
| 着信内容 | 適する打ち手 | 着手手順 | 確認する指標 |
|---|---|---|---|
| 診療時間や休診日の確認 | 自動音声による案内 | よくある質問の回答文を作成し音声に変換する | 案内完了で通話が終了した件数 |
| 予約の取得や変更 | Web予約URLのSMS送信 | 予約システムのURLを記載したSMSの文面を用意する | SMS経由での予約完了数 |
| 急な発熱や症状の相談 | 受付スタッフによる直接対応 | 緊急時の電話転送ルールをスタッフ間で共有する | スムーズに担当者へ繋がった件数 |
| 業者からの営業電話 | 自動音声での用件録音 | 営業専用の番号選択肢と録音メッセージを設定する | スタッフの対応時間がゼロになった件数 |
RAKUKARADAグループの診療現場で実際に作り運用している立場からお伝えすると現場の受付スタッフがルール作りから参加することが定着の鍵になります
現場の声を反映しながら少しずつ自動化の範囲を広げていきます
最初からすべての電話を自動化しようとすると設定が複雑になり運用が回りません
まずは休診日の案内や道案内といった単純な問い合わせから機械に任せます
また初診の患者さんからの問い合わせには特に注意を払います
初診の同意書はブラウザで編集できる箇所が117箇所ありA4で3枚(6面)に印刷する形にした当社の実績整理(公開済みの事例・2026年8月時点)のように必要な情報を事前に整理しておきます
これにより電話での問い合わせを減らしWeb上で疑問を解決できる導線を整えることができます
患者さんが知りたい情報にすぐにアクセスできる環境を作ります
自動応答で患者さんに冷たい印象を与えませんか
すべてを機械で完結させるのではなく選択肢の最後に「スタッフにお繋ぎします」というルートを残すことで患者さんの不安を和らげる形に整えます
同一グループの診療現場では毎日15分の書類仕事は年間では診療何日分もの時間になるという実測値(2026年8月時点)をもとに電話対応の記録も音声入力で自動化しています
喋るだけで文章になる時代であり電話の内容をAIが整形してカルテに転記する仕組みも置けます
AIの活用はスタッフの負担を減らすだけでなく患者さんへの対応の質を維持するためにも役立ちます
自動音声のメッセージも温かみのある声質を選び丁寧な言葉遣いで設定します
スタッフの負担が減ったあとは何に取り組みますか
電話対応から解放された時間は患者さんへの丁寧な問診や医療従事者が持つ知識を発信する活動など人にしかできない仕事に充てていきます
医療従事者の知識は人を救うための宝物であり求めている人がたくさんいます
当社の作業記録(2026年8月時点)では患者さん向けの説明マニュアルが10〜15分で形になる実測値が出ています
事前に情報を渡しておけばAIが下書きまで作成してくれます
発信の形は選べるため本やコース教材やアプリやWebなどで院の専門性を伝えていきます
電話対応の自動化から始まり待ち時間の対策や情報発信へとステップアップしていきます
患者さんとの接点を増やすためには本人が希望して登録した人への一般的な案内に限定したLINEを使った診療案内の仕組みも有効な選択肢となります
院内で内製化を進めることで業者に頼らずとも自分たちで情報を更新できる体制が整います
内製化とは外部に委託していた業務を院内のスタッフが自ら行えるようにする取り組みのことです
診療現場と自分たちの事業で動いている仕組みが19件ある当社の実績(2026年8月時点)からも自分たちで作って運用することの強みが確認できます
外部に丸投げするのではなく院内の課題を最もよく知るスタッフ自身が改善の主体となります
電話対応の自動化をきっかけにしてクリニック全体のデジタル化を推進していきます
新しい技術を恐れるのではなく自分たちの味方につけることで働きやすい環境を構築します
患者さんにとってもスタッフにとっても居心地の良いクリニックを目指して歩みを進めます
よくある質問
- 高齢の患者さんが自動応答の操作に迷うことはありませんか
- 操作が一定時間ない場合は自動的に受付スタッフへ繋がる設定を設けます
これにより機械の操作に不慣れな方でも必要な案内を受けられる状態を保ちます - 自動応答システムを導入するまでにどのくらいの期間がかかりますか
- 着信内容の記録と分析に時間をかけその後の設定とテストの期間を見込みます
まずは休診日のアナウンスなど簡単な部分から始めて段階的に機能を拡張していきます - 業者からの営業電話も自動応答で対応できますか
- 営業専用の番号選択肢を設け用件を録音してもらう形に設定できます
診療時間中にスタッフが営業電話で業務を中断される事態を想定した仕組みを置きます


