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クリニックのLINE活用|ステップ配信の設計

公開日 2026年8月20日 執筆 RAKUKARADA LLC

クリニックのLINE活用を受付で患者に案内する様子
案内が患者さんの手元へ届く通り道をつくる

クリニックのLINE活用は「設計」と「直せる体制」で決まる

クリニックのLINE活用で成果を分けるのは、ツール選びの巧拙よりも、配信の設計図と「直したいときに自分たちで直せる体制」だと私たちは考えています
休診日の変更、ワクチンの入荷、健診の受付開始──クリニックが患者さんに伝えたいことは意外なほど多いものです
ところが伝える手段が院内ポスターと電話だけだと、情報は「いま院内にいる人」と「かけてきてくれた人」にしか届きません
本当に届けたい相手は、いま院内にいない患者さんのはずです

電話は診療時間内しかつながらず、鳴るたびに受付の手が止まります
ポスターは貼り替えに手間がかかるうえ、待合室の外には出ていきません
この構造のまま案内の量を増やすと、現場の負担だけが増えていきます

一方で、患者さんの側の連絡手段はこの十年で大きく変わりました
日常の連絡がLINE中心になった人にとって、知りたいときに医院からの情報が手元に届く状態は自然なものです
医院と患者さんの間に「電話とポスター以外の通り道」を一本つくること、それがLINE公式アカウント活用の出発点です

LINEステップ配信の設計──友だち追加から予約までの流れ

LINE公式アカウントを使うと、友だち追加してくれた患者さんへ、あらかじめ用意した情報を順番に自動で届けられます
これがステップ配信と呼ばれる仕組みです
一度設計してしまえば、その後の配信に人手はほとんどかかりません
受付が忙しい時間帯でも、案内は自動で患者さんの手元に届き続けます

ポイントは「何を、どの順番で、どこへ向けて届けるか」をひとつの導線として設計することです
私たちが基本形としている流れは次のとおりです

タイミング配信内容ねらい
追加直後あいさつと診療案内医院のことを知ってもらう
数日後診療内容や検査の説明受診を判断する材料を渡す
その後予約方法の案内予約導線へ自然につなぐ

一通ごとに役割を決めておくと、配信のたびに文面を悩む必要がなくなります
ゴールは常に「必要になったとき、迷わず予約できる状態」に置きます
文面づくりに凝る必要はなく、待合室で患者さんに口頭で説明している内容を、そのまま一通ずつに分けるイメージで十分です
予約が入ったあとは、前日のリマインドまで自動で届く形にしておくと、無断キャンセルの抑制と受付の電話対応の削減につながります

ステップ配信が一巡したあとは、季節の健診や予防接種など、時期に合わせた案内を織り交ぜていきます
インフルエンザワクチンの受付開始を、開始したその日に友だち全員へ届けられる──電話とポスターだけの体制との違いが最もはっきり出る場面です
配信文はためらわずに短くし、詳細はホームページへ、行動は予約へ、と受け皿を分けておくと読みやすくなります

医療機関のLINE配信で先に決めておきたい配慮

医療機関のLINE配信で患者に情報を届けるイメージ
届ける情報の線引きを先に決めておく

医療機関の発信には、一般の店舗とは違う配慮が求められます
配信を始める前に、院内のルールとして次の点を決めておくことをおすすめします

特に大切なのは患者情報の扱いです
LINEはあくまで「一方向の情報提供と、予約への入口」と割り切り、個別の相談は電話や院内での対話へ誘導する設計にしておくと、運用に迷いがなくなります
このルールを最初に文書で決めておけば、担当者が代わっても配信の品質が保たれます
たとえば「検査結果が出ました」という個別連絡はLINEに載せない、健診の受付開始のような全員向けの案内だけを流す、と例で示しておくと、現場の判断が早くなります
表現面の注意点は医療広告ガイドラインとAIの記事でも詳しく扱っています

配信ツールの外注と内製──文言ひとつに発注書が要るか

ステップ配信を実現する手段は大きく二つ、配信ツールを外部契約する方法と、自院向けの仕組みを内製する方法です
外部ツールには月額の利用料があり、ステップ配信のような機能が追加の課金対象になっていたり、初期設定や構築そのものを代行会社へ依頼する形になっていたりします
立ち上がりの早さは外部ツールの利点ですが、外に頼む範囲が広がるほど、直したい文言がひとつあるだけでも依頼と見積もりと発注書が要る世界に近づいていきます
配信の文面は診療の実態に合わせて頻繁に変わるものなので、この「直すまでの距離」が運用のしやすさを大きく左右します

医療機関向けのシステムは高くて当たり前、という感覚は長くこの業界の常識でした
けれどもAIで作れるものが広がったいま、その常識は終わりつつあると私たちは感じています
私たちは自社のLINE配信システムをAIで内製し、ステップ配信から予約リマインドまで自分たちの手で直せる状態で運用しています
実証の場は同一グループの医療法人が開設するクリニックで、診療体制の変更があった日のうちに、配信文もリマインドも自分たちで直して反映できています
「思いついた改善をその日に試せる」という速度は、外へ依頼して戻りを待つ運用では得にくいものです

とはいえ、最初から完成形を目指す必要はありません
挨拶の一通から始めて、ステップ配信、季節の案内、予約リマインドへと段階を踏んでいけばよいのです
一段のぼるたびに「これもできる」が見えてくるのは、LINE配信に限らずAI活用全般に共通する感覚だと私たちは考えています

内製という選択肢の考え方はホームページ内製の記事で、リマインドの先にある予約データの活かし方は予約データ集計の自動化の記事で書いています
どちらを選ぶにしても、先にやるべきは配信の設計図を書き出すことです
導線さえ決まっていれば、手段はあとから差し替えられます
自院に合う進め方に迷う場合は、私たちの支援内容もあわせてご覧ください

よくある質問

クリニックのLINE公式アカウント開設は難しいですか
開設の手続き自体は管理画面から進められます
難しいのはむしろ開設後の「何を、どの順番で配信するか」の設計で、本記事の流れを先に紙に書き出してから開設することをおすすめします
クリニックのLINE配信はどのくらいの頻度が適切ですか
私たちの現場では月に数回程度に抑えています
回数を増やすことよりも「患者さんにとって必要な情報かどうか」を基準にした方が、ブロックされにくいと考えています
LINEで患者さんから返信が来たらどう対応すればよいですか
個別の症状相談にはLINEでは応じない方針をあらかじめ案内し、電話や受診への誘導文を自動応答に設定しておく方法が現実的です
患者情報をLINE上に残さないことが、院内の安心にもつながります

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桜岡 寿英
桜岡 寿英|RAKUKARADA LLC 代表社員

都内で医療法人の代表をしながら、医療機関のAI導入・内製化を支援しています 同一グループの診療現場を実証の場として、実際に動く仕組みを開発・運用しています

この記事の書き方は 編集方針 に沿っています

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