クリニックのWEB問診と電子カルテ連携の手順と判断基準
クリニックのWEB問診を電子カルテと連携させる判断基準
クリニックでWEB問診を導入し電子カルテと連携させることで受付の入力業務や患者さんの待ち時間を減らす運用を目指します
独立型の問診システムを使うか電子カルテ連動型を選ぶかの判断基準と具体的な運用手順をまとめました
WEB問診を導入する際に最初に決めるべきことは現在の運用をどこまでシステムに委ねるかという方針です
院長と事務長が中心となってシステムの選定前に院内で必要な問診項目の洗い出しを行う手順から始めます
そのうえでシステム単体で動かす独立型にするか電子カルテに直接データが飛ぶ連動型にするかを比較検討していきます
厚生労働省の受療行動調査(令和5年)によると病院の外来患者の診察等までの待ち時間は「15分未満」27.9%、「15分〜30分未満」24.9%、「30分〜1時間未満」20.6%で1時間未満が約7割を占めています
一方で1時間以上待った外来患者は合計21.1%(1時間〜1時間30分未満10.1%、1時間30分〜2時間未満4.5%、2時間以上6.5%)存在することも示されています
この待ち時間を少しでも短縮するために事前の問診入力が大きな役割を果たします
| 連携の方式 | メリット | 注意点 | 適したクリニック |
|---|---|---|---|
| 独立型システム | 導入が手軽で問診項目の自由度が高い | カルテへの転記やコピー&ペーストが必要になる | まずは小さくデジタル化を始めたい院 |
| 電子カルテ連動型 | 入力データがそのままカルテの所定位置に反映される | システムの仕様に院内の運用を合わせる必要がある | 受付の入力業務を極力減らしたい院 |
医療業界のシステム開発が高額なのは歴史的な常識でしたがその常識は終わりつつあります
内製化とは外部の業者に丸投げせず院内のスタッフ自身でシステムの設定や運用手順を組み立てていくことです
最初から全部わかっている人はいないため1、2、3、4と段階を踏んで進めることで柔軟な仕組みを作れます
段階を踏むからこそ現場から「これもできる」というアイデアが広がっていきます
電子カルテ連携を成功させるHP上の導線設計
患者さんに来院前に入力してもらうためにはHP上のわかりやすい位置にWEB問診へのリンクを配置することが第一歩となります
予約システムと連動させて予約完了画面からそのまま問診画面へ進めるような導線を作ることが理想的な形です
同じく厚生労働省の受療行動調査(令和5年)では病院の外来患者の79.0%(小病院では68.2%)が「予約をした」と答えています
さらに「医療機関が発信するインターネットの情報」を入手先にした人は病院の外来患者(複数回答)の28.8%にのぼります
このデータからもわかるように多くの患者さんが事前にインターネットで情報を集め予約をしてから来院する流れが定着しています
そのためHP上でいかにスムーズに問診へ誘導できるかが連携の成果を左右します
具体的な着手手順としてはまず事務長や受付スタッフが患者さんの目線に立ってスマートフォンの画面でHPを確認します
予約ボタンのすぐ近くに事前問診のお願いを配置し入力にかかる目安時間も併記しておくことで回答へのハードルを下げられます
HPの更新を院内で対応できる体制を整えておけばこうした導線の改善もスピーディーに行えます
医療の世界は外から見ればブラックボックスだからこそ中身を発信する価値があります
医療従事者の知識は人を救うための宝物であり求めている人がたくさんいる領域です
喋るだけで文章になる時代であり音声入力とAIを組み合わせれば書けない人でも発信できます
発信の形は選べるため本やコース教材やアプリなど様々な展開が考えられる時代になっています
受付の案内手順と待ち時間を減らす進め方
事前の入力が済んでいない患者さんが来院された場合は受付で案内を行い院内で入力していただく手順を整えます
紙の問診票と併用しながら段階的にデジタル化を進めることで現場の混乱を避ける運用が可能です
- 誰が:受付スタッフが来院時の挨拶とともに
- いつ:保険証や診察券をお預かりするタイミングで
- 何を:ご自身のスマートフォンでの入力か院内タブレットでの入力かを案内する
ご自身のスマートフォンで入力していただく場合は待合室にQRコードを掲示しておき読み取っていただきます
操作が不慣れな方やご高齢の患者さんにはスタッフがタブレットをお渡しして入力のサポートを行います
待ち時間を減らすための対策としてこうした受付での声かけのルールをマニュアル化しておくことが大切です
なくなっていくのは統計処理やプログラミングなど頭がいいとされてきた領域の仕事です
残るのは手術や問診や患者さんとの会話など人にしかできない仕事だと私たちは考えています
WEB問診と電子カルテを連携させて入力業務を自動化するのはスタッフが患者さんと向き合う時間を増やすためです
業務効率化は入り口にすぎずその先に仕事の質も私生活も変わる未来が待っています
新しい仕組みを入れる際にはAIやシステムの特性を理解しておくことも重要です
AIは時に嘘をつきできるのに「できない」と言う特性を持っています
その特性を理解して作り込み最後は必ず人が確認する運用を前提にマニュアルを組み立てます
システムが入力したカルテのデータも最終的には医師が内容を確認して診療記録として完成させます
グループの診療現場で実際に運用しているWEB問診の仕組み
同一グループの診療現場では現場のスタッフが中心となってWEB問診や各種同意書の仕組みを作り上げて運用しています
最初から完璧なものを目指すのではなく日々の診療の中で少しずつ改善を重ねていくことが定着の鍵となります
実際に院内で作った仕組みとして初診の同意書はブラウザで編集できる箇所が117箇所ありA4で3枚(6面)に印刷する形にしました
文面の変更を院内スタッフが自分で行い版を管理する運用を回しています
外部の業者に依頼しなくても自分たちの手で診療方針に合わせた柔軟な変更ができる状態を作っています
また新しい運用を始める際のスタッフ教育も工夫しています
必要な情報を先に渡しておけば患者さん向けの説明マニュアルが10〜15分で形になる仕組みを運用しています
AIが下書きまで出してくれるためゼロから文章を考える手間が省け業務の負担を大きく減らせています
AIを活用した業務改善は特別な技術がなくても現場の工夫次第で様々な場面に応用できます
問診のデータが電子カルテに連携されることで医師は診察室に入る前に患者さんの状態を詳しく把握できます
受付スタッフも転記作業から解放され目の前の患者さんへの配慮に集中できるようになります
こうした連携をさらに進めるためにWEB予約システムと連動した患者案内の仕組みを検討することも一つの選択肢となります
自分たちのクリニックに合ったペースで少しずつデジタル化の範囲を広げていく運用をおすすめします
よくある質問
- WEB問診と電子カルテの連携はどこから始めればよいですか
- まずは院内で現在使っている紙の問診票の項目を整理することから始めます
そのうえで導入している電子カルテのメーカーに対応しているWEB問診システムを確認していく手順がスムーズです - 高齢の患者さんがWEB問診を入力できるか不安です
- ご自身のスマートフォンで入力が難しい方には院内のタブレットをお渡ししてサポートする体制を整えます
ご家族に事前入力をお願いする案内をHPに掲載することも有効な手段となります - 導入後に問診項目を自分たちで変更することは可能ですか
- 選定するシステムによりますが多くのWEB問診システムでは管理画面から項目の追加や修正が可能です
内製化を進めることで日々の診療方針の変更に合わせた柔軟な運用を目指せます


